罪深き義母のよがり啼き 38
- 2018/04/11(Wed) 19:49
- 罪深き義母のよがり啼き連載中
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「ねぇ、そんなに休んじゃダメでしょ?ちゃんと大学は出てね」
「休んではいないよ。大丈夫。ちゃんとしてるよ。試験も終わったし、夏休みになる……それよりも早く、足開いてよ。今日は時間、平気なんでしょ?また口だけでさ、逝ってよ。この前の出してさ、飲みたいから……」
そんな会話を省吾とした三日後だ。
玄関が開く音がした。
「お帰りなさーい」
顔を出さないまま、秀美は台所から声をかける。
時間から光輝だと言うのは分かった。
そのまま階段を上り、数分後に廊下を突っ切るのも分かっている。
最近は帰宅後すぐにシャワーを浴びるから、着替えを持って浴室に向かうのだ。
案の定、光輝は叫んだ。
「ただいまぁ。風呂入るね」
「うーん」
秀美は首にかけたタオルで額と鼻の頭の汗を拭い、オクラに続いてナスを揚げ始めた。
省吾との関係が始まると、何故か光輝との関係は修復の一途を辿り始めた。
光輝への妙な意識が少しは減ったからだと秀美は考える。だったら、このままでいい。
自分が浮気、不倫をするような女になるとは思いもしなかった。そんな人間をなんと愚かだろうと思いもしていた。望んだ幸せを壊す行為の何ものでもないのに。
でも、どうしようもないことだってある。卑しく、やっぱりと指差されても仕方がない。
それで保たれる幸せも確かに存在するのだ。
夫に対しては心が痛む。
息子に惹かれた上に、それを相殺するために息子の友達と浮気。それも、幼馴染みの息子と。
知られたらどれほど傷付けるのだろう。
きっと、元風俗嬢であること以上だ。
「あっちー。ビール飲んじゃお」
光輝は頭をゴシゴシとしながら冷蔵庫を開けてビールを出した。
「待っててね。今日は天ぷら。今、天つゆ出すから」
「うん……あ、義母さん……明後日の水曜さ、省吾が泊まりに来るんだけど」
「え?あ……そうなの?」
驚いた。そんなことは言っていなかったのに。
手を止めそうになるのを堪えて、秀美は揚げておいた夏野菜と鶏を皿に盛った。
「花火大会あるからその帰りに……あ、義母さんも良かったら行く?あいつと花火なんて中学以来な気がするんだよね」
「ううん、私はいいよ。他の人も……女の子も一緒なんでしょ?」
「二人だよ、ざんねーん。だって俺たち義母さんに夢中なんだもん。知っているくせに」
「そう?だったら嬉しいけど」
秀美は光輝を見ないまま、悪戯っぽくわざと右眉を上げるように微笑んで天つゆを小皿に注いだ。
久しぶりなセリフに一瞬心が躍った。
なんでもなく応えられた自分を褒めてあげたい。
光輝は菜箸を掴んだ。
「手伝うよ」
「ありがとう……そう言えば、夏休みだよ。お友達とかとさ、旅行に行かないの?」
彼女とは訊けない。
「行かないよ。ゼミはあるんだけど。あとはバイト」
「ふーん」
「ところで義母さんの次の休みはいつ?」
「次は、木曜日。八月はあんまりないんだ。子供が小さい人はさ、夏休みだからお休み取りたいでしょ?お盆もあるし。実家に帰るみたいよ」
「そうか……義母さんが休みの日はさ、家のこと手伝うから」
「いいよぉ。大丈夫、気持ちだけで」
「一回ぐらいはさ、二人でどっかに行っちゃう?」
「うん。光輝君さえ良ければ。楽しみにしてるね」
秀美は、口元に笑みを乗せたままさりげなく光輝を見た。
「俺も……」
返って来たセリフ以上に光輝の視線は心に甘い波紋を作るものだった。
「休んではいないよ。大丈夫。ちゃんとしてるよ。試験も終わったし、夏休みになる……それよりも早く、足開いてよ。今日は時間、平気なんでしょ?また口だけでさ、逝ってよ。この前の出してさ、飲みたいから……」
そんな会話を省吾とした三日後だ。
玄関が開く音がした。
「お帰りなさーい」
顔を出さないまま、秀美は台所から声をかける。
時間から光輝だと言うのは分かった。
そのまま階段を上り、数分後に廊下を突っ切るのも分かっている。
最近は帰宅後すぐにシャワーを浴びるから、着替えを持って浴室に向かうのだ。
案の定、光輝は叫んだ。
「ただいまぁ。風呂入るね」
「うーん」
秀美は首にかけたタオルで額と鼻の頭の汗を拭い、オクラに続いてナスを揚げ始めた。
省吾との関係が始まると、何故か光輝との関係は修復の一途を辿り始めた。
光輝への妙な意識が少しは減ったからだと秀美は考える。だったら、このままでいい。
自分が浮気、不倫をするような女になるとは思いもしなかった。そんな人間をなんと愚かだろうと思いもしていた。望んだ幸せを壊す行為の何ものでもないのに。
でも、どうしようもないことだってある。卑しく、やっぱりと指差されても仕方がない。
それで保たれる幸せも確かに存在するのだ。
夫に対しては心が痛む。
息子に惹かれた上に、それを相殺するために息子の友達と浮気。それも、幼馴染みの息子と。
知られたらどれほど傷付けるのだろう。
きっと、元風俗嬢であること以上だ。
「あっちー。ビール飲んじゃお」
光輝は頭をゴシゴシとしながら冷蔵庫を開けてビールを出した。
「待っててね。今日は天ぷら。今、天つゆ出すから」
「うん……あ、義母さん……明後日の水曜さ、省吾が泊まりに来るんだけど」
「え?あ……そうなの?」
驚いた。そんなことは言っていなかったのに。
手を止めそうになるのを堪えて、秀美は揚げておいた夏野菜と鶏を皿に盛った。
「花火大会あるからその帰りに……あ、義母さんも良かったら行く?あいつと花火なんて中学以来な気がするんだよね」
「ううん、私はいいよ。他の人も……女の子も一緒なんでしょ?」
「二人だよ、ざんねーん。だって俺たち義母さんに夢中なんだもん。知っているくせに」
「そう?だったら嬉しいけど」
秀美は光輝を見ないまま、悪戯っぽくわざと右眉を上げるように微笑んで天つゆを小皿に注いだ。
久しぶりなセリフに一瞬心が躍った。
なんでもなく応えられた自分を褒めてあげたい。
光輝は菜箸を掴んだ。
「手伝うよ」
「ありがとう……そう言えば、夏休みだよ。お友達とかとさ、旅行に行かないの?」
彼女とは訊けない。
「行かないよ。ゼミはあるんだけど。あとはバイト」
「ふーん」
「ところで義母さんの次の休みはいつ?」
「次は、木曜日。八月はあんまりないんだ。子供が小さい人はさ、夏休みだからお休み取りたいでしょ?お盆もあるし。実家に帰るみたいよ」
「そうか……義母さんが休みの日はさ、家のこと手伝うから」
「いいよぉ。大丈夫、気持ちだけで」
「一回ぐらいはさ、二人でどっかに行っちゃう?」
「うん。光輝君さえ良ければ。楽しみにしてるね」
秀美は、口元に笑みを乗せたままさりげなく光輝を見た。
「俺も……」
返って来たセリフ以上に光輝の視線は心に甘い波紋を作るものだった。
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