FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

罪深き義母のよがり啼き 19

「あの、支払いは?さっきのコーヒー代も」
 秀美は訊いた。無粋だが気にはする。
「あ、いいよ、せめてこれぐらいは。ホテル代は鮎川持ちだからさ……で、何階?」
 柳沢はエレベーターのボタンを押した。
「五階。508だから」
 幸作が応えている間にすでにいたエレベーターのドアが開いた。柳沢から順に幸作、秀美と乗りこむ。
「ホテルなんて久しぶりだな。あ、そうだ」
 思い出して、秀美は光輝に旅行を提案されていることを話した。
 今、幸作からそれらしい話を聞いてもきっと忘れてしまう。 それでも、どんなことでもいいから口先と浅い部分の意識を動かしておきたかった。
 エレベーターを降りながら柳沢へも尋ねた。
「柳沢さんもさ、お孫さんと旅行とかしないの?」
「いや、気を使って誘ってくれるよ。一人で寂しいのかなって心配してくれているみたいだし」
「なら、いいじゃない」
 レストランでの静けさが嘘のよう。これからコトを行う三人の会話ではない。饒舌になればなるほど、興奮を感じていると悟られているはず。
 それでいい。初めて風俗の門を押した時の後ろめたい、でも愛する男のためならと腹をくくっていた時と似ている。

 一歩先の幸作がカードキーを挿し込んだ。
 その瞬間、柳沢の左手は秀美の肩を抱いた。
 あっ。秀美は短く息を吸いながら、ビクッとした。
 幸作がカードを抜き、続けてドアを押す時には左手は下ろされた。
 柳沢の意図は解からない。
 だが、ほんの一秒ほどのことで秀美は自分の興奮を物理的に教えられた。背筋を下りた先のホワイトデニムの中のショーツがひどく重たくなっていた。
 
 窓に向かって縦長気味の部屋にはキングサイズほどの大きなベッドが置かれている。向かいには簡易書斎のテーブル、椅子。奥の窓の脇にも丸いテーブルとソファーがあった。
「シャワー先にいい?それとも、柳沢さんが先に使う?」
 おぼこではないのだ。緊張は拭えなくても、ここまで来て戸惑うばかりでは二人に申し訳ない。
 秀美はエレベーターからの雰囲気を壊さないようにと心がける。
 柳沢はテーブルに鞄を置いてから冷蔵庫を開けようとしていたが、その手を戻して上着を脱ぎ始めた。
「じゃあ、先に使わせてもらうよ」
 幸作を見てから上着をハンガーにかけて浴室に入った。
 秀美が浴室のドアから幸作へと視線を移すと幸作はすでに目の前にいた。
 幸作は秀美の両手を取って、手の平同士を擦らせる。
「どんな気分?」
「どんなって、そりゃ緊張してるよ」
「興奮は?」
「少しは」
 些細な表情の変化も見逃さないようにとする幸作の視線が照れ臭い。
 意味のない手の動きをするのは、幸作も興奮し、それでいて、触れていたいくらいに不安を感じているからだ。
 秀美は擦られる手を見るフリをして幸作の股間を見た。まだ上着を着ているために勃起が窺えない。
 幸作は秀美の手を引いて抱きしめた。髪に鼻先を沈めながら囁く。
「始めちゃおうか?」
「え?でも……」
「秀美の服は俺が脱がしたい。柳沢が秀美に夢中になるのは分かるから」
 幸作の右手がチュニック丈のブラウスの中に滑り込む。腰を指先がかすめた。それだけで「はぁっ」と息を吸い込むような喘ぎ声が洩れる。
「秀美、今日の秀美はいやらしくて綺麗だよ。すごく……ものすごく」
 一際強く抱きしめてから幸作は離して、前に並ぶボタンを外し出した。
 欲望に濡れた声でそう言う幸作も見たことが無い顔をしている。ギラギラ。ああ、幾度も見たことがある男たちの顔。瞳が鋭く、心持ち小鼻が拡がり、全身に男の性を漲らせている。
 そしてそれは、過去を消し去る為に、見たかった幸作の姿だ。
 遠慮なく、警戒なく、自分のために男の本能を剥き出しにしてくれる姿を。
 秀美は幸作の頬を左右で挟んでキスをした。鼻を甘く鳴らし、幸作の舌を吸う。
 幸作はブラウスのボタンを途中まで外したが、我慢できないと言いたげに右手でブラジャーを押し上げた。
 半端に潰れた乳房を掴んで、大きな乳輪を指先に挟む。
「んっ……んんっ」
 秀美は手の場所を頬から首に変えて幸作を抱きしめる。
 溢れ返る愛液がショーツ脇から洩れ出て、ホワイトデニムにまで浸みていく。
 ああ、このまま。このままでいいのに。
 想いが胸をかすめると、カチャッと浴室のドアが開いた。


関連記事
現在の閲覧者数:
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。