FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

罪深き義母のよがり啼き 16

 奥さんがいないから、お嬢さんのこととなると困るわよね。
 急なことだったが、そんな想いで約束をした。
 しかし、いざとなると緊張する。もしかしたら『スル』相手と会うのだから。
 秀美はコーヒー豆の販売を主としているコーヒーショップでコーヒーを飲みながら柳沢を待った。
 小さく丸いテーブル席が三つと幾多のコーヒー豆が置いてある店。店構えは大きくはないが、駅からだとスーパーの五軒手前だから分からないことはないと思ってこの場所を待ち合わせにしていた。
 待っている時間があると、余計に緊張度が高まる。
 夫は寝取られる姿を見て本当に興奮するのか。
 そんな心配のおかげで、今朝の色魔騒動のことはわずかに薄れていた。
 音がして顔を上げれば、店内の鳩時計は五時を伝える。
 店のガラス戸を見やった。すると、中を覗く男性がいる。
 柳沢だ。

「あっ」
 秀美は気持ち伸びをした躰を左右に揺すって手を振ってみた。気が付いたようだ。柳沢はドアを開けて入って来た。
「ごめん、待たせた?」
「ううん。だって、時間通り」
 秀美は鳩時計を指差した。
「じゃあ」
 と柳沢もコーヒーを注文した。
「さっきの若い方は?」
「ああ、平気。社に戻らせたから」
「そうですか」
 秀美は深い意味もなく二度頷いた。
「秀美ちゃん偉いね。光輝君とも上手くやってて」
「えー、そうですか?きっと光輝君の方が気を使ってくれていますよ。買い物とかも付き合ってくれるし」
「鮎川が嬉しい心配をしていたよ。秀美ちゃんを息子に盗られちゃうって」
「それはないですよ」
「それくらい仲がいいって言うことだよね。良かったよ」
「ありがとうございます。あ……それで、お嬢さんは……」
 運ばれてきたカップを口に付ける柳沢に秀美は訊いた。
「うん。娘も頑張っているみたいだね。上手くやってるよ、相手と……まぁ、俺には愚痴も言えないんだろうけど」
「そうですか」
 先程と言っていることが違うようなと首をかしげたくなる。
 秀美が視線を泳がせたことで悟ったのか、柳沢は「ごめん」と告げて来た。
「え?」
「娘のことは、嘘。秀美ちゃんと話がしたくて」
「あ……はぁ……」
「単刀直入に言うよ。鮎川に相談された時は驚いた。自分の……」
 そこで柳沢はやや前のめりになり、声のトーンを落として「奥さんとしてくれなんてさ」と続けた。
「はい、私も驚きました」
 秀美は恥ずかしくなって目を伏せた。
「鮎川はさ、自分のせいで秀美ちゃんが自信を失くさないかっていうのも心配しているんだよ……って、俺が言うとヤル為に秀美ちゃんを説得するみたいだけど……知らないうちの浮気とかだってされたくもないだろうし」
 浮気……その言葉には秀美は顔をガバッと上げた。
「そ、それはないです」
 柳沢は秀美の勢いに目を丸くしてから、微笑んだ。
「今はね。でも、この先は分からない。秀美ちゃん、色っぽいから誘惑がなくもないでしょ?証拠が俺。俺だって今、ものすごくしたいよ、秀美ちゃんと」
「そ……そんな」
 信じられないという言葉が口を衝いたが、したいと言う男性のストレートな言葉に女の深部は小さく引き攣った。
関連記事
現在の閲覧者数:
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。