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archive: 2015年03月

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純愛不倫 2

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 あんな夢の後だからだろうか。 欲情? 懺悔?  心にあるのは分らなかったが、一吾は涼子の耳にキスをした。 朝からの行為としては珍しい。 唇に触れるセミロングの髪をそのままに囁いた。「待てない」 やけに粘ついた声だと言うのは自分でも気が付いた。 涼子は、くすぐったいと言いたげに肩を竦めた。「嬉しい。やっぱり、あの効能かな?この前のもかなりの閲覧数があったのよ」 軽やかにさえずってから、宥めるように...

〈紺碧の月長石・哲也の章 11〉

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別荘に戻って、躰が冷えたからと言う理由でお風呂に入った。まひろと母親が来たのはその直後だった。まひろは作っておいた雪だるまにすぐに気が付いたらしい。だけど、肝心の木の実を拾うのを忘れていたから目無しだ。まひろは自分で探して入れていた。口、と言って枝まで。僕はまひろの横で優しく笑う河原崎を見ても、嫌な感情を抱かなかった。まひろのための雪だるまを忘れるほどの快感を僕で得たのだと思ったから。でも、その優...

〈紺碧の月長石・哲也の章 12〉

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春休み、僕は初めて河原崎と外で待ち合わせをした。家にかかってきた電話で、買い物を付き合って欲しいと言われたからだ。なんでも、大学通学用の服を買うとか。言われた駅で降りて、改札を出ると河原崎はすでにいた。「帰りは送るよ。心配だからね」「いいよ。女じゃないんだから」ってか、会って早々、帰りの話とかすんなよな。寂しくなるだろうが。一年経っても少ししか身長差が縮まっていない横を歩いた。ソコは河原崎が言うと...

〈紺碧の月長石・哲也の章 13〉

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背中全てを包まれて甘くゾクッとした。これだけで気持ち良くて股間に血液が集まり始める。「べ、べつに。たくさんあるなと思っただけだよ……ってか、やめろよ。母親来るだろ?」両手を掴んでも、河原崎はお構いなしに耳元にフッと吐息をかける。「あっ……やっ」肩を震わせてから振り向くとキスをされた。「んっ」腰がものすごく熱くなる。足首の力が抜けそうにもなる。躰全部を支えるように河原崎の両手はきつく締まる。舌を挿し込ま...

〈紺碧の月長石・哲也の章 14〉

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なんだよ。いい母親じゃないか。うちのババァにも爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。親の心子知らずとはあいつのことだな。トロフィーの横を通って河原崎の部屋に戻る。ドアを開けると、暗い。だけど明るかった。壁一面ほどの大きなスクリーンが下がっていた。「なんだよ。こんなのあった?」僕は言いながらスクリーンに寄った。すると、さっき棚から出そうとした映画が始まった。「おいで。観よう」河原崎はベッドの上に座っている...

〈紺碧の月長石・哲也の章 15〉

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早く夏休みが来ないかな。二年に上がっての楽しみとしたら、それだけだった。『また別荘に行こう。君さえよければ、一週間ぐらいいたっていい』あれから一か月後のゴールデンウィークに会った時に、河原崎が言ってくれたから。別に別荘じゃなくてもいいけどな。映画だって、買い物をしたっていい。僕、付き合うし、見立てるし。ご飯食べるのだって……。僕は寮の机の上に置くようになった卓上カレンダーを捲ってはため息を吐いた。勉...

純愛不倫 3

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 バンドネオンの音が消えると、階段の上から駅員のアナウンスが聴こえた。人もまばらな改札の上の時計は、十一時十五分を示している。 研究会の集まりは午後の一時。四時までの予定である。 食べたばかりでお腹は空いていないけど、念の為におにぎりか何か買って行こうか。 考えながら一吾は、電車内で使っていたイヤホンのコードをクルクルと巻いた。ダッフルコートのポケットの中に落として、反対側のポケットから出した定期...

〈紺碧の月長石・哲也の章 16〉

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心臓が鼓動を止めた気がした。でも間を置かずに、母親に怒鳴っていた。「そんなわけないだろう?ふざけるなよ。そんなに河原崎が嫌いなのかよ。いいから、金。行くから、金ちょうだいよ」僕が詰め寄ると母親は立っていられなくなったのか、その場にへたり込んだ。酸欠になったように苦しそうだ。「自殺したのよ……少し前に……言えなくて……てっちゃんに言えなくて……言ったら、てっちゃん……てっちゃんまで」「いいから、金よこせ。そん...

〈紺碧の月長石・哲也の章 17〉

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まひろ……その名を見てから河原崎の部屋のドアノブを掴んだ。そっとドアを開けると、その部屋だけお線香の匂いが消えて河原崎の匂いがした気がした。部屋はそのままだった。ベッドのカバーもたくさんの本もDVDもそのまま。違うのは、机の上の本だ。大学の教科書なのか。僕はそれらをぐるっと眺めてから、河原崎のベッドにダイブした。蘇るのは河原崎の匂い。河原崎が自殺。自殺?するか?あんたが。本当は殺されたんだろ?無茶なこ...

〈紺碧の月長石・哲也の章 18〉

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五倍ほど長かったまつ毛が、大量の涙で外れて頬にくっ付いている。その涙も乾き始めた。泣くこともやめて女は、ただ足を開いていた。一緒に拉致ろうとしたお友達には逃げられた。助けも来ない。薄情だね。女って。さて、今日も僕の勝ちだ。勝ち、とは賭けのこと。適当な女を見て、処女か否かを賭ける。誰が勝ちかは、もちろん捕まえて突っ込まないと分からない。きっかけは……いかにもヤリマン的な女が、意外にも処女だったことから...

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