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archive: 2013年06月  1/3

最愛 第一章・夢みる頃 142

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サッカー部が校庭の真ん中でストレッチをしている。僕は机に腰かけてそれを見ていた。「旬」振り返って並べておいた机をたたいた。「何見てるの?」「サッカー部」近づいてきた杏を机に座らせた。肩を抱き、軽いキスをしてから窓の外に視線を戻した。「今日、楽しかった。やっぱ、バスケ好きだって思った」「うん。旬はやっぱりカッコいい。改めて思った」「マジでぇ、杏もカッコよかったよ。最後のスリーポイント決めた後になんで...

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最愛 第一章・夢みる頃 143

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卒業式の三日後。杏が受験した都内大学の発表の日。お昼ご飯を食べて、気が付くと三時。連絡が来ない。ダメ……だったのかな。僕は携帯を何度も開きはするがメールも送れずに部屋でぼんやりとしていた。すると手の平に振動。杏?見ると本宮だ。なーんだ。思いつつメールを読む。受かった。一人暮らし決定!!と書いてあった。良かった。本宮は受かったんだ。確か仙台……。杏と遊びに行けるかな?おめでとう。返事を送ると一時間後に東...

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最愛 第一章・夢みる頃 144

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「ケーキ、親から。合格したお祝いだって」「わーい、ありがとう。今食べる?」「ううん、まだいい。俺、昼食ったばっか」「良かった、私も」杏は冷蔵庫にケーキの箱を丁寧に入れてペットボトルを出した。コップにジュースを注いで両手に持つ。「行こう」誘われて入った杏の部屋。久しぶりに杏の部屋の匂いを嗅いだ。美乃里の部屋で見たクマのぬいぐるみが机の上にある。その横に杏はコップを置いた。そういえば杏の部屋でキス以上...

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最愛 第一章・夢みる頃 145

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暖房はつけていない。春の気温にはまだ遠い。それなのに汗に濡れる僕と杏の体。「はぁ、はぁ、杏」僕は杏の横に下りた。そして想いを込めて杏を抱きしめた。杏のお腹に放った精液が僕のお腹にもくっ付いた。そんなこといい。そんなことどうでもいい。弾んだままの息をしている杏は黙って僕の首元に顔を寄せた。何も言葉が出なかった。ただそばに置いておきたかった。杏の息遣いも速い鼓動も熱い体も僕のもの。全部僕のもの。ずっと...

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最愛 第一章・夢みる頃 146

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本宮に連絡をして、小泉、菊川、美乃里の六人でディズニーランドに行った。本宮も杏と同じころに発つと言う。「寮、何とかなりそうなんだ」本宮はすでに新生活をワクワクと楽しみに待っている様子だ。「なぁ、夏休み遊び行っていい?」僕は訊いた。もちろん杏とのつもりだ。それなのに本宮はこんなことをしれっと言う。「どうぞー、乱交しようぜ」「ら……」「一条もゴリも混ぜてやるよ」「ヤダよ。ばっかじゃないの。大学をなんだと...

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最愛 第一章・夢みる頃 終

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そう言っていたのにメールがない。僕はメールを送ってみた。待ったのに返事がない。どうして?帰るのが遅くなったのかな。杏……。僕は携帯を握ったまま、いつの間にかに眠っていた。『旬……』「……あっ」目が覚めた途端、嫌な予感がした。まだ早朝。パジャマから着替えて顔を洗い、携帯を握りしめて玄関のドアを開けた。「旬」朝食の用意をしていた母親に声をかけられた。「杏の家、行ってくる」僕は振り返らずに叫び、家を飛び出した...

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盗撮ラブホ パート2

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パート2:一見普通のカップル←いや、本当に普通のカップルなのかも知れない。彼女は左手薬指に指輪をしていますけど、どうでしょう?私、この記事を書くために最初っから最後まで通して観ました。いつもは好きなところしか観ませんから。おかげで余計にムラムラ中です。今日は時間があるのでこの勢いで土日の蜜月を描ければいいんですけどね。髭店とまでを描きたいんですけど、そっちを読んでいる方期待しないでください。二十代...

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最愛 中章・夢みた後で

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僕は着替えて部屋を出た。玄関に向かう為に階段を下りようとする。足が止まった。そうだ!!屋上へと足を変える。あれからずっと開けていない扉。母親は掃除に出ているらしいが僕はずっと出ていない。だからか、存在を忘れていた。……忘れようとしていた。バスケットゴールの次に大事な場所。もう何年、このドアを開けていないんだろう。ドアノブを捻り、ドアを開ける。冷たい空気が瞬時に廊下に流れ込む。「寒い」僕はダウンの前を...

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最愛 第二章・夢みる頃を過ぎても 1

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「小泉さん、お見えになりました」受付からの声。「はい」僕は応える。患者の前歯からリーマーを抜いて、ライトをどけた。「あ、閉じて大丈夫です。薬を入れて終わりです。あと……膿の袋がどれくらい小さくなったか見たいので最後にレントゲンを撮らせてください」口を閉じた患者の頷きを見る。「起こします。ゆすいでください」背もたれを戻してから、もう一度リーマーの長さを確認した。ぺリオドン効いたみたいだなぁ。良かった、...

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最愛 第二章・夢みる頃を過ぎても 2

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菊川とは駅で待ち合わせをした。胃癌だったらしいと行く道々話してくれた。小泉にももちろん連絡をしたがどうしても落とせない大学の実験でこの時間では間に合わないという返事をもらったそうだ。「でも今日中には来るって」「そう」場所は自宅だった。本宮は背筋を伸ばし、前を向いて正座をしていた。泣いてはいないようだ。だが、なにも瞳には映していないような横顔だった。本宮は母親と一緒に台所に立つのが好きで料理好きにな...

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