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プリティなお尻の彼女の正体

 職場のお話。
 少し前から隣の部署のある女の人を見なくなった。いつもパンツスーツなのだけれど、お尻の形が綺麗だなぁと覚えた女性。
 バツイチで子持ちという。年は三十半ば。私よりもだいぶ長くいて、派遣会社経由から、会社との直接契約に切り替えると言ううわさは聞いた。
 どうしたのだろう。シングルマザー特有の悩みか、体調が悪いのかな、と思っていた。
 辞めたとは聞かないし。
 なんとなく気になり始めた頃、その女性と同じ部署の人にロッカーで話をする機会があった。
「一緒なんて珍しいね。遅くない?残業?」
「そう、体調悪い人がいるんだ」
「ふーん」
 頷きながらそのプリティ尻女性だと確信した。
 体調が悪いのか。

 そのうち復帰するかと思う程度だった。

 
 その翌日、トイレの個室に入っていると「妊娠」と言う単語が外から聞こえてきた。
「良く分かったね」
「ピンと来たよ、ピンと」
「最悪、あいつ結婚しているのに」
 妊娠?
 誰とも名前を聞いていないのに、彼女だと直感で思った。結婚していると言う単語にも覚えがあったから。
 
 それは一年前だ。
 夏過ぎに人事異動があった。仲が良くなりかけていた人が離れて、新たな人が入る。
 とはいっても、ふーん、程度。正社員と派遣は、ここの場合は特に身分が違う。
 直後、意外な組み合わせをやたら見かけるようになった。そのプリティ尻女性とある男。
 ああ、この人、この男が好きなのか、と思い知らさせることが幾度もあった。何故なら、その男といる時は、彼女がとても可愛く見えたから。
 私もソレくらいに素直だったら、まったく違う人生を歩んだかもしれないのにねって、軽い嫉妬を覚えるほどの可愛らしい顔をする彼女を至る所で見かけた。エレベーター前、自販機の前、諸々と。ロッカーで見かける顔とは全く違う面持ちをする彼女だった。
 
 異動早々のその男の噂は曖昧だったけれどもかなり激しかった。
 ロリコン、だとか、社内のイベントで高校生に手を出した、など。
 余程人望がない男なのだ。
 でも、部署も違うし、言っては何だが挨拶もしない相手だし。
 だって、一度したら無視されたんだもん。知るか、このロリコンヤローが、程度だった。

 彼女のその露骨な攻めモードをいつの間にか、見なくなった。
 どうやら、その頃から付き合いだしたらしい。

 私がトイレで聞いた二日後には、彼女の妊娠は社内で周知のことになっていた。
 けれども、相手はわからないと言う者が多数。
 えーーーーーっ、うっそおぉ。
 しまいには、私がお世話になっている上司がその相手とされていた。
 いやぁ、みんなの目ってどんだけ節穴??
 あのトイレで聞いた話は別のことだったのか?
 その状況には納得できなくて、私は派遣を管理する社員を脅した。
 知っていることをきちんと流さないとあっちこっちで適当な話が作られるよ、と。おばさんはね、下世話は話が好きなの。無責任にね、面白おかしく話すだけ話すんだよ、と。
 相手が社内で明確になるまで、数日を要した。

 でも、この時点では、彼女を悪くは思えなかった。偶々好きになった相手が既婚者。そして、偶々自分はバツイチ(最近はマルイチとも言うらしいけど)。厳しい世の中だけれど、付き合うのはアリなのでしょう。
 その延長で妊娠しただけ。そして、どうしてか、産む方向に進んでしまったわけで。
 まぁ、いたって普通のシングルマザーが二人を育てることは大変だとは思うけれども、もしかしたら、離婚したその男と再婚するのかもしれないしな。
 彼女の方は、先月付で辞めたそうなのでもう会わないのでしょうけど。男とはエレベーターでほぼ毎日顔を合わせますけど、知らねぇし。

 と思っていた矢先に、新情報が入って来た。
 なんと、そのプリティ尻彼女はここ五年ほどで社内の男性三人と関係を持っていたという。
 すべて相手は既婚者。しかも、目撃者多数。
「あの女はね、男がいないとダメなんだよ。その癖、すぐに飽きるの。どうせ今度のだってすぐに終わるよ。ありきたりなセリフだけどね、子供がかわいそうだよ」
 とお局社員は教えてくれた。
  
 そうか。私ってお人好し。なんだか、裏切られた気分。
 でも、ま、いっか、と思えるのは、彼女の妖しい魔性に毒されたからなのでしょう。
 


 




〈恋の言い訳〉

 えー、それはもちろん好きになったからですよ。
 一目見ていいなって。 
 話しをしてみて、タイプかもって。
 結婚しているとかしていないは関係ないですね。結婚していても夫婦の人生は別じゃないですか。
 何でもかんでも分かり合える。想いは一緒って思えたのは結婚前までですよね。
 みんなそうじゃないですか?
 まぁ、向こうは慎重でしたね。奥さんはだいぶ年下みたいで。
 でも、だから疲れるとも言っていますし。年が近い私は癒しなんじゃないですか?
 
 迫り方は露骨だったかも知れませんね。だって、仕事をしていても家に帰って子供にご飯を作っている時も彼を想うようになっていたんですよ。
 寝ても覚めてもってこういうことですよね。毎日、切なくて、でも疼いて。恋の醍醐味。
 もう彼が欲しくて欲しくて周りのことなんて気にしていられませんよ。だって、向こうは仕事が終わったら奥さんがいる家に帰ってしまうんだから。
 攻められるのは、一緒にいる職場しかないじゃないですか。

 会ったら軽くでも挨拶して、遠くでも目が合ったらニッコリ微笑む。 
 作戦とかじゃなくて、普通のことでしょ?
 顔を見ることが出来ただけで嬉しいんですから。
 好きなんですよ。好きだったら自然ですよね。
 不倫だって恋の形の一つなんだから、することは変わりませんよ。
 興味はあっても何も出来ない女って、勿体無いって思います。それどころか、自分の弱さを誤魔化すためにそれを出来る女を蔑むなんて、よくそこらへんにいるけど最低でしょ。
 私は、自分に正直なだけ。好きな人に好きって想いを伝えたいだけなんです。
 いつも誰かを好きでいたい。自分に嘘を吐きたくない。
  
 半年はかかりましたけど、彼も結構その気にはなって来ていましたよ。 
「ねぇ、私の気持ちに気が付いているんでしょ?」
 不意に言ってあげました。彼は驚いたように目を見開いてから、そのまま無言で私を見つめましたよ。
 嬉しい。
 堕ちた証拠ですね。
 お年頃の男女ですから、関係はすぐですよ。
 ものすごく燃えちゃいます。二人きりになって、キスをしながら脱がせ合うんです。
 正直言えば、挿れながら服を脱がして欲しいくらい。だって、出来るだけ繋がっていたいでしょ。私を制して、彼の熱で溶かして欲しい。
 正常位では我慢できなくて上に跨っちゃうんです、つい癖で。
 私だけを見て欲しい。私だけに感じて、私の中でだけ暴れればいい。
 ねぇ、もっと。もっと、もっと。もっと奥まで。もっとダメにして。
 ずっと入っていて欲しいのに、もっともっと何回も逝かせて欲しいのに、私の勢いに彼がいつも負けちゃうんです。
 でも、いいんです。
 彼と出会えたのは運命。
 その証拠に新しい命を宿しました。
 彼に言ったら驚いていましたけど、逃がしません。
 彼が奥さんと別れるのは時間の問題ですよ。彼は私に夢中なんです。
 私が彼を好きでいるうちは。
 

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